私とは何か 「個人」から「分人」へ

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私とは何か  「個人」から「分人」へ

人間は1つの物体なので1つとして扱うのが当然だと思っていたが、他者との関係性の中で成り立つ「分人」という考え方はとてもおもしろいと思った。

親子の「子」としての自分と、子の「親」としての自分と、会社員としての自分と、友人と接している時の自分。それらが同じ行動や考え方をするわけではないのは自明だろう。ただ、どれか一つが本当で、それ以外が嘘ということもあり得ない。すべて本当の自分であるけど、性質はまったく違う。それに対する答えは、それらはすべて別のもので、集合したものが「人間」である、ということだ。

自分は1つしかないと考えてしまうのは、人間という物体が存在するせいだろう。もし、インターネット上でしかコミュニケーションが取れないとしたら、SNSで炎上しているユーザーと、推しに応援メッセージを送っているユーザーは同一人物とは思えないだろう。

人間関係の考え方はとくに感銘を受けた。「分人は自分と相手との関係で成り立つものなので、その分人がよくないのであれば、その半分は相手のせいだ」という考え方だ。自分に悲観的になる前に、自分の分人を見直すべく相手を見直すべきだ。新しい相手といい分人を作ることができれば、自ずと状況は改善されるはずだ。この考え方はとても共感できる。

人間関係や人生に悩んでいる人は読むことをおすすめする。分人の考え方がきっと改善してくれるだろう。

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pupepa

COBOL Engineer

Objective-Cが書けるiOSエンジニアを一時休業してWebアプリケーションエンジニアに。

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