なにか大きな原因があるわけではなく、小さいネガティブなことが積み重なって、気分が落ち込んでしまうことが定期的にある。原因がわかっていれば、その原因を取り除いたり、回避したりするのは比較的容易だが、原因が不明な場合は対策が難しい。
そういう時には、元気になる音楽を聴くことで気分を高めることにしている。音楽によるリラクゼーションは、さまざまな研究で効果が立証されているはずだ。
自分がリラクゼーションを求める時に聴くのが、両さんの「こちら葛飾区亀有公園前派出所」だ。香取慎吾が演じる両さんと、ピチカート・ファイヴをはじめ、数多くのアーティストや歌手に曲を提供したヒットメーカーの小西康陽のコラボレーション。大ヒットした「慎吾ママのおはロック」と同じタッグのこの作品は、本作でもそのクオリティは健在である。
この曲のすばらしさは、イントロから6秒目の「ハイッ」という両さんの掛け声に凝縮されるといっても過言ではない。この「ハイッ」を聴いただけで一気に元気になれる。出会って6秒で元気。「ハイッ」のかけ声だけで元気にしてくれるのは、香取慎吾さんと故・宮尾すすむさんぐらいではないだろうか。
歌詞は (いい意味で) 軽薄で、無意味で、無価値で、何も考える気にさせない。これは一種のマインドフルネスだと言えるだろう。無機質な音楽が頭の中を占有することで、頭の中のもやもやが晴れること間違いなしだ。
そして、カップリングとして収録されているリミックスも味があっていい。「どうせカップリングだあ!」という投げやりな言葉は、小さいことで悩んでいた自分に「もっとおおらかに生きていいんだよ」というメッセージを送ってくれていると確信させてくれる。この曲に何度救われたかわからない。ありがとう、こち亀。ありがとう、両さん。
ジャニーズ時代の作品なので、残念ながらサブスクで聴くことはできない。ブックオフなどで投げ売られているのを見つけて買おう。そして聴こう。