「本の読み方 スロー・リーディングの実践」を読んでいる。
読み終えてはいないのだけど、タイトルにもあるとおり「本はゆっくり読むのがよい」という主張の本だ。その主張に対しての言説がつらつらと書かれているが、どれも説得力を持っていて都度納得させられる。
一つ興味深いと思ったのが、モンテスキューが「法の精神」という本を20年かけて書いたという以下のくだり。
もちろん、書くほうが20年かけたからといって、20年かけて読まなければいけないということはない。<中略> しかし、私たちは、著者の20年に対して、やはり謙虚な気持ちを忘れるべきではない。
この主張は果たして本だけに対して適用してよいものだろうか。例えば、Googleは長い時間かけて検索エンジンを作ってきた。リリース当初と比べてはるかに便利に、かつ優秀になっているはずだ。Google以外にもソフトウェアやサービス、ハードウェア、数多のものが長年かけて築き上げられたものではないだろうか。
それらに対して謙虚な姿勢を持てるのだろうか。持つべきなのだろうか。