近所の食堂でカキフライを食べた時の話。店内に昭和の歌謡曲がずっと流れていた。食堂なのでレトロ感を出すためなのだろう、井上陽水やチェッカーズなど懐かしのソングスが響き渡っていた。
頼んだのはカキフライ定食。秋になるとカキフライを食べたくてしょうがなくなる。揚げ物は胃が痛くなりがちなので避けているのだけど、カキフライだけは別だ。あとで胃薬を飲めばいい。
それだけ自分にとって大事な食事だというのに、歌謡曲のせいで強くてカキフライに集中できない。あの時代の歌謡曲は歌詞がわかりやすかったり、メッセージ性が強かったりしてつい曲に気がいってしまう。メロディが単純というのもあるのかもしれない。とにかくカキフライに集中したいのに気が紛れてしまう。Oh' My Julia。
店を出てショッピングモールを歩いていると、メロディアスだけど歌詞にほとんど意味がなさそうなBGMが流れていた。それでいいんだよ、それで。と思いながら重い胃を引き摺りながら帰路に着いた。